Rock'n'文学

猫ときどき小説書き

読書

【講師のいる読書会】2021年4月18日「パニック」開高健

・求心力より遠心力で描く ・寓意・寓話小説 ・人間のきらいな人間 下僕:閣下はぐっすりおやすみでしたが、昨日は例の小説塾だったんですよ。で、課題図書でこちらを取り上げました。開高健の「パニック」です。 まめ閣下:お、その話は知っておるぞ。ネズ…

【講師のいる読書会】2021年2月28日「推し、燃ゆ」宇佐見りん

第164回芥川賞受賞作を、元編集者で現在多数の小説教室で講師を務めるN氏と読んで語る会で語られたことなど。ひょっとするとあんまり大きな声では言えないようなこともあるかもしれませんが・・・。 まめ閣下:おい、下僕よ。予になにか報告すべきことが…

【講師のいる読書会】2020年12月20日「一人称単数」村上春樹

「あなたにはそれが信じられるだろうか? 信じたほうがいい。それはなにしろ実際に起きたことなのだから。」(「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノバ」より) 「それらは僕の些細な人生の中で起こった、一対のささやかな出来事に過ぎない。(中略)も…

【読書会】2020年12月5日「砂漠が街に入りこんだ日」グカ・ハン

母国語以外の言語で書くこと。 世界に紛れ込んだ異物としての自分。 言語、国境、性別、年齢、セクシャリティ、あらゆる境界を飛び越えようとする試み。 まめ閣下:おい、なんか冒頭に文章が出ておるが。あれはなんだ? 下僕:あ、気づいちゃいました? はは…

【読書会】2020年10月3日「観光」ラッタウット・ラープチャルーンサップ

下僕:ねぇ、閣下、今まで知らなかった素晴らしい作家に出会うって本当に幸せなことですねぇ。 まめ閣下:にゃ、にゃんじゃ、藪から棒に。 下僕:いえ、昨夜はほら、小説仲間たちで定期的にやってる読書会でしてね。その課題図書がこちらで。 下僕:今回、課…

【講師のいる読書会】第163回芥川賞受賞作「首里の馬」高山羽根子「破局」遠野遥

まめ閣下:下僕よ。昨日は昼過ぎからずーっと、例によってあの四角い板に向かってくっちゃべっておったようだにゃ。 下僕:いい加減おぼえてくださいよ、閣下。あれはパソコンという機械の画面で、わたくしはただ板に向かって話していたわけじゃなくてオンラ…

2020年4月7日 非常事態をくぐりぬける文学とは

下僕:閣下、とうとう東京に今夕非常事態宣言が出るそうですよ。 まめ閣下:でも外出禁止とか交通機関の封鎖とかの強制力のあるロックダウンではないからにゃ。食料や日用品の買い物、散歩などは制限されないと言うではないか。 下僕:とはいえ、やはり気鬱…

【読書会】2020年1月25日「献灯使」多和田葉子@マルカフェ

下僕:閣下、閣下。わたくし昨日出かけてたでしょ。読書会だったんです。課題図書はこちら。 まめ閣下:なんや、いつにもましてひどい写真ではないか。 下僕:はは、キンドルですからね。電子書籍は欲しい時にすぐ入手できるし旅行のときは何冊も持っていく…

【読書】「しらふで生きる」と「スピンクの笑顔」町田康 

まめ閣下:どうしたんだ、さっきからため息ばかりついて。 下僕:ああ、生きるって寂しいことでございますねぇ、閣下。 まめ閣下:な、なにを柄にもないことを言っておる。どこか具合でも悪いのか? 下僕:具合・・・そうですねぇ、強いて言うなら、こう胸の…

読書会まとめ ルシア・ベルリン「掃除婦のための手引き書」

まめ閣下:下僕よ、今朝も怠惰なる下僕よ。 下僕:また怠け者呼ばわりですか。今朝はいささか頭が痛いんで、ちょっとくらいだらだらしてても許してくださいよー。 まめ閣下:おおかた飲みすぎであろう。「しらふで生きる」とこのところ毎日のように口では言…

【講師のいる読書会】「むらさきのスカートの女」今村夏子

まめ閣下:昨夜はまた大勢が集っておったようだにゃ。 下僕:はい、例のN氏を講師にお迎えしての小説塾の日でございましたからね。閣下だって塾生の一人としてご参加くださったではありませんか。 まめ閣下:何を申すか。予は誰の教えも請わない。単にオブ…

読書「ノラや」内田百閒 ’中公℮ブックス

まめ閣下、いかがお過ごしですか。 わたくしは、この少し長めの旅の間、常にとは言いませんが気がつけば閣下のことを考えています。考えている、という言い方は的確ではないかもしれません。思っている、というべきでしょうか。閣下は常に下僕の心のなかに存…

読書「騎士団長殺し」村上春樹 (第1回目の感想)

下僕:閣下、わたくし昨日ようやく「騎士団長殺し」全4巻読み終わりました! まめ閣下:あー、おほん、きっと多くの民がその発言に「なに今ごろ?」って反応してると思うな。 下僕:だって閣下、わたくし本は可能な限り文庫になってから買う、長編は全巻出て…